@misc{oai:nara-edu.repo.nii.ac.jp:00009636, author = {川岸, 奈央}, month = {Mar}, note = {「炭酸(Carbonic acid)」は化学式H2C03で表わされる。日常でもよく聞く言葉であり,例としては炭酸飲料や炭酸水素ナトリウム(重曹,パンのふくらし粉)などが挙げられる。「炭酸ガス」という表現は二酸化炭素C02を指すが,炭酸自身は0=C(OH)2の示性式を持ち,水溶液中でのみ存在すると考えられている。 CO2+H20→0=(OH)2 この炭酸は,2つのカルボキシル基を有する有機化合物である。ギ酸H-COOHより少し複雑な構造を持つだけであるにも関わらず,なぜか炭酸は化学Iの有機化合物の単元で扱われていない。教科書の柵外に簡単な説明がある程度の扱いである。炭酸は二酸化炭素が水に溶けることで生じ,水溶液中で2段階の電離を起こす弱酸である。これらの現象はよく知られている。しかし,CO2+H20と炭酸と電離の3つの関係は意外にも詳細には分かっていない。第II章では,この関係を計算化学で調べた。さらに,炭酸はC02とH20で構成されているが,これらは燃焼反応の生成物である。燃焼反応の生成物C02とH20が炭酸生成の逆反応で与えられる可能性はないのか。この疑問を含め,物が燃えて大きな熱量を発生する反応を,今も燃料として用いられているプロパンC3H8について素過程単位で追跡することを試みた。プロパンは飽和炭化水素系列でメタン,エタンに次いで第3番目に簡単な分子であり,燃焼反応はプロパンと空気中の酸素の反応である。C3H8+02の組み合わせにはC,H及び0の基本元素のみが関与しており,基礎的な有機化学反応といえる。しかし.現在でも物質の燃焼に関して,構造式の変化を示す反応としての捉え方(共有結合の生成・切断の理解)が無い。第III章では、プロパンと酸素分子が反応してC02とH20分子に至る経路を計算化学で追跡した。追跡途中は.本節で前述した炭酸分子介在の有無を最も留意した。同時に,酸素分子が常磁性であることや,燃焼は遊離基の物質の反応であることを高校の生徒たちにどのように教えるべきかを構想した。, 奈良教育大学修士学位論文, 学位の種類: 修士(教育学), 学位授与年月日: 平成23年3月25日}, title = {計算化学による炭酸の反応の経路の追跡}, year = {2011} }